© KSA建匠株式会社
改修後の居酒屋店内。木目調の引き戸を閉めた間仕切り壁

WORKS - 施工事例

大阪市居酒屋 改修工事

喫煙・禁煙の空間分けを目指した店舗改修

施工概要

大阪市内にある居酒屋店様より、喫煙される方とされない方、それぞれに配慮した店舗づくりのご相談をいただきました。店内の全面禁煙によって、店舗周辺での路上喫煙や吸い殻のポイ捨てにつながることをご心配されていたお客様。今回は、喫煙・禁煙の空間分けを目的に、間仕切り壁や引き戸を設置し、既存の居酒屋らしい雰囲気を活かした改修工事を行いました。

工事内容
喫煙・禁煙の空間分けに向けた間仕切り壁の新設/引き戸の設置/壁面の内装仕上げ
建物
大阪市/飲食店舗・居酒屋
採用工法・素材
間仕切り壁の造作・ボード張り/木目調の引き戸設置/クロス貼り・腰壁の仕上げ

お客様からのご要望

  • 喫煙される方とされない方の双方に配慮し、店内の空間を分けたい。
  • 全面禁煙にすると、店舗周辺での路上喫煙や吸い殻のポイ捨てにつながらないか心配。
  • 店内だけでなく、近隣の方々や周辺環境にも配慮したお店づくりをしたい。

というお悩みをいただきました。

ご相談のきっかけは、店内の喫煙環境を見直したいという思いからでした。居酒屋には、お酒や食事とともに喫煙をされる方も、タバコを吸わずに過ごされる方もいらっしゃいます。それぞれのお客様を大切にしながら、お店としてどのような環境を整えるかが課題となっていました。

一方で、室内を全面禁煙にすれば、それですべての悩みが解決するとは限りません。お客様は、喫煙場所を求めて店外に出る方が増え、路上での喫煙やポイ捨てなど、周囲への影響が生じるのではないかと懸念されていました。

そこで生まれたのが、「店内の空間を分けてはどうか」という考えです。店舗をご利用になる方々と地域への配慮を出発点として、間仕切りを中心とした店舗改修をご提案させていただきました。

施工前 改修前の居酒屋店内。テーブル席がひと続きに並ぶ客席全体
改修前の客席全体。テーブル席がひと続きの空間に配置されていました。

現地調査の結果

施工前の店内は、テーブル席とカウンター席がひと続きになった、客席をぐるりと見渡せるつくりでした。壁に飾られた絵、手書きのメニュー、木のぬくもりを感じる内装。どれもこのお店ならではの、ほっと肩の力が抜ける雰囲気をつくっています。

今回のポイントは、そんな魅力を残したまま、店内に新しい「境界」をどう生み出すか。間仕切り壁は、置く場所ひとつで客席の見え方が変わるだけでなく、通路や出入口の使い勝手まで左右してしまいます。ただ壁を足せばいいわけではなく、改修後にお店がどう使われていくのかまで思い描く必要がありました。

なかでも気を配ったのは、テーブルや椅子が並ぶ客席まわりです。人が行き交う場所と、扉が開閉する範囲。この二つがぶつからないかどうかは、想像以上に大切なところでした。席を立とうとするお客様、料理を手に急ぐスタッフ。居酒屋ならではの日常の動きを頭に浮かべながら、空間を考えていきました。

もうひとつ見逃せないのが色合いです。もともとの床や腰壁は、落ち着いた茶系でまとめられていました。そこに新しい壁や建具だけが浮いてしまっては、せっかくの居心地のよさも台なしです。色味や仕上がりを周囲になじませることで、はじめからそこにあったような自然さが生まれます。

こうした店内の特徴を踏まえ、今回は間仕切り壁、出入口、内装のつながりをひとつの流れとして捉えました。それぞれを別々に考えるのではなく、全体で一体感のある空間へ。そんな思いで進めた改修です。

施工前 改修前、窓側に沿って並ぶ居酒屋の客席
窓側の客席配置。
施工前 改修前、カウンター席まで連続していた居酒屋の店内
カウンター側まで連続していた施工前の店内。

施工内容

今回ご提案したのは、お店の雰囲気はそのままに、間仕切り壁と引き戸で喫煙・禁煙の空間を分ける内装改修です。

  • 客席の境界となる間仕切り壁の新設
  • 空間の行き来に配慮した引き戸の設置
  • 既存の店舗内装に合わせた壁面・腰壁の仕上げ
  • カウンター側とのつながりを考えた開口部まわりの造作

お店の印象をガラリと変える必要はありません。大切にしたのは、今ある空間に必要な機能をそっと足すこと。長く親しまれてきた客席や、お店ならではの意匠を背景に、新しい壁や建具が「最初からそこにあった」ように見えるよう、細部まで丁寧に仕上げました。

① 客席の境界となる間仕切り壁の新設

喫煙・禁煙の空間を分けるために、ひと続きだった客席の間へ新たに間仕切り壁を設けました。フロアに壁が加わることで、それぞれのエリアの境目がはっきりと形になります。

施工中の写真をご覧ください。出入口となる部分を残しながら、壁面にボードを張り進めています。壁をつくる場所と人が通る場所を組み合わせ、店内の形に沿って区画を整えていきました。

間仕切り工事で気を配るのは、完成した壁の見た目だけではありません。既存の床や周囲の壁との取り合いも、仕上がりを左右する大事なポイントです。新しい壁だけが浮いて見えてしまっては、せっかくのお店の雰囲気がもったいないですよね。

壁ができれば視線の抜け方が変わり、同じ広さでも空間の感じ方は違ってきます。客席から見たとき、そして通路から見たとき。どちらの景色も心地よく見えるかどうかが、改修の出来栄えを物語ります。

施工中 施工中、出入口を残しながらボードを張り進めた間仕切り壁
出入口を残しながら、新しい間仕切り壁を施工している様子。
施工中 施工中、客席とカウンターの間に立ち上がった間仕切り壁
店内の形に沿って区画を整えていきます。

施工後|ひと続きの客席に、空間の境界が生まれました

施工後は、これまで連続していた客席にエリアごとの区切りが生まれました。「喫煙と禁煙の場所を分けたい」というお悩みに、まずは空間の構成から見直すことでお応えし、お店の運用を考えるための土台を整えています。壁の上部は明るい色にまとめました。茶系の床や腰壁ともしっくり調和し、落ち着いた表情です。

施工後 施工後、明るい上部と茶系の腰壁で仕上げた間仕切り壁
客席の境界をつくる間仕切り壁。既存の内装に合わせた色合いで仕上げています。

② 空間の行き来に配慮した引き戸の設置

新しい間仕切り壁の出入口には、木目調の引き戸を取り付けました。空間を区切る役目と、隣のエリアへ行き来する通り道。その二つを一枚の建具に担わせています。

引き戸は横にスライドして開け閉めするため、開き戸のように扉が振れるスペースを必要としません。客席と通路が近いお店では、これが意外なほど効いてきます。扉の開閉方法ひとつで、空間の使いやすさは変わるものです。

飲食店の出入口を使うのは、お客様だけではありません。料理を運ぶスタッフも、片付けに向かうスタッフも、一日に何度となく通ります。だからこそ、閉めた状態の見た目だけでなく、開けて通る場面まで想像しながら設計することが欠かせません。

扉には、落ち着いた木目調を選びました。面積の大きな建具の色を周囲になじませれば、区画は分かれていても、ひとつのお店としてのまとまりは崩れません。

施工中 施工中、引き戸を設置する前の間仕切り壁と二つの出入口
引き戸の設置前。間仕切り壁と二つの出入口の位置関係が分かる施工中の様子。

施工後|開閉できる出入口で、空間を使い分けやすく

引き戸を開ければ、隣のエリアへスムーズに行き来できます。閉めれば、客席間の視線をさえぎることも可能です。状況に合わせて出入口の表情を切り替えられるようになりました。

木目調の引き戸は壁面のアクセントにもなり、居酒屋らしい温かみをほんのり添えています。

施工後 施工後、木目調の引き戸を開けて隣の客席へつながる出入口
引き戸を開けた状態。隣の客席へつながる出入口を確保しています。

③ 既存の店舗内装に合わせた壁面・腰壁の仕上げ

間仕切り壁は、明るい色の上部と茶系の腰壁の組み合わせ。もともと店内で使われている色の構成を受け継ぎ、新しくつくった部分が周りに溶け込むようにしました。

店舗の改修では、新しい壁や設備を加えるだけでなく、お店が積み重ねてきた雰囲気を引き継ぐことも大切です。常連さんが通い慣れた景色、初めて訪れた方がふと感じる居心地のよさ。それらは、床や壁、家具といったひとつひとつの組み合わせから生まれています。

このお店には、木の風合いが感じられるテーブルや椅子、味わいのある床、壁を彩るメニューがありました。そこへ加わる間仕切りも、色合いをそろえて空間全体にまとまりを持たせています。

見落とされがちですが、出入口の枠や腰壁との境目も、完成時の印象を大きく左右する部分。それぞれの線がきれいにつながれば、改修した場所だけが浮くことはなく、ごく自然な店内の景色になります。

施工後|お店らしさを受け継ぐ、落ち着いた内装に

完成した間仕切り壁と引き戸は、既存の床や家具にすっと溶け込みました。明るい壁面と深みのある茶系の組み合わせが、店内の親しみやすさをそのまま引き継いでいます。

必要な空間分けはしっかりと。お店らしい表情もそのまま。機能と見た目の両方に向き合って形にした店舗改修です。

施工後 施工後、引き戸を閉めた間仕切り壁。壁面・腰壁・建具の色合いをそろえた仕上がり
引き戸を閉めた状態。壁面、腰壁、建具の色合いをそろえた仕上がり。

④ カウンター側とのつながりを考えた開口部まわりの造作

間仕切りのカウンター側には、隣の空間を見渡せる開口部を設けています。壁で客席を区切りつつ、視線のつながりはあえて残しました。

壁を立てたあと、客席とカウンターの関係がどう変わるのか。飲食店ではここも見逃せません。客席から見える景色はもちろん、スタッフが店内の様子を見渡せるかどうかも、壁の有無で変わってくるからです。

そこで今回は、出入口だけでなく、カウンターへ続く部分まで含めて間仕切りを組み立てました。開口部のまわりには茶系の枠を回し、引き戸や腰壁と共通する印象に。

空間を分ける壁と、空間をつなぐ開口部。この二つをバランスよく店内に収めることで、既存のお店の形にぴたりと寄り添う改修になりました。

施工前 改修前のカウンターまわり。客席との位置関係が分かる店内の様子
改修前のカウンターまわり。客席との位置関係が分かる様子。

施工後|区切りを設けながら、店内の見通しも残しました

間仕切りで客席の境界ができた一方、開口部からは隣の空間の様子がうかがえます。新しい壁の中に視線の抜ける場所があるおかげで、店内のつながりはしっかり感じられます。

ぐるりと壁で囲ってしまうのではなく、既存のカウンターや客席との関係に合わせて形を整えたこと。それが今回の改修ならではのこだわりです。

施工後 施工後、カウンター側に設けた開口部と間仕切りに沿って続く客席
カウンター側の開口部と、間仕切りに沿って続く客席の様子。

お客様の声

居酒屋らしい雰囲気を大切にしながら、間仕切り壁と引き戸で店内の空間分けを実現した今回の施工。

お客様からは、

  • 「お店の雰囲気を残しながら、たばこを吸う人も吸わない人も、みんなが快適に過ごせる空間になって施工をお願いしてよかったです。」

というお言葉をいただきました。何よりうれしい一言です。

ご相談の背景には、来店されるお客様だけでなく、お店の周辺環境にも心を配りたいという思いがありました。店舗改修は、見た目を新しくするだけのものではありません。日々の営業の中でふと感じていたお悩みを、見つめ直すきっかけにもなります。

KSA建匠は、お客様が何に困っているのか、これからどんなお店にしていきたいのかを大切に、その空間にぴったりの改修をご提案します。

CONTACT - 気軽にご相談ください

「こういうものを作りたい」
「住まいをもっと快適にしたい」
「他社では難しいと言われた」

KSA建匠では、新築・リフォーム・修繕工事を行っております。宮大工の経験を活かした高度な木工技術を強みとしており、既製品では実現が難しい造作家具や建具の制作にも対応し、お客様の暮らしや空間に合わせた“世界にひとつだけ”のご提案を行っています。そのようなご相談にも、職人ならではの視点と技術力で柔軟に対応いたします。どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。